若いときの一人旅

　　最近は一人で旅行することはほとんどなくなった。また自分で計(jì)畫を立て友達(dá)と一緒に旅行することも減ってきた。全部パックになった団體旅行がお得なので、ついついそれで間に合わせてしまうのだ。自分で計(jì)畫を立てるときの往復(fù)交通費(fèi)で、パック旅行なら宿泊も現(xiàn)地でのこまごました経費(fèi)もすべて賄える。それに、交通が不便なところへ簡(jiǎn)単に連れて行ってくれるもありがたい。友達(dá)との個(gè)人旅行だったら、莫大な時(shí)間がかかったり、タクシーなどの経費(fèi)も馬鹿にならないだろう。今では旅行の意味も若いころと違っているので、団體のパック旅行でも結(jié)構(gòu)楽しい。友だちと行くことが多く、おしゃべりも重要な要素だからだ。

　　若いころの一人旅ではよく失敗した。ある日時(shí)刻表で後から來(lái)る列車に乗り換えようと駅で降りた。降りる人がわずかで、そのわずかな人たちもみんな駅から出て行ってしまってホームに私一人が殘された。それでもどうしてみんな乗り換えないのかなとちょっと不思議に思ったが、自分の間違いに気付かなかった。列車が時(shí)間になっても全然來(lái)ない。時(shí)刻表をよくよく見たら季節(jié)列車だった。結(jié)局もっと遅く目的地に著くことになった。こんなことはしょっちゅうだった。

　　お金がないから駅の立ち食いそばをよく利用した。栄養(yǎng)失調(diào)にならないように無(wú)理して牛乳を飲んだ。おかげで牛乳嫌いが治った。安全のために宿泊場(chǎng)所にユースホステルを確保した。當(dāng)時(shí)は男子學(xué)生はよく野宿していたので、男だったら駅に泊まれたのにと殘念に思ったものだ。

　　予定も立てずにもっぱら歩いた。だから、その土地の名もないような寺や神社や公園などにも詳しくなった。気に入れば何時(shí)間でも同じ場(chǎng)所でぼーっとしていた。私の旅は何だったのか自分でも分からない。気障に言えば自分探しの旅だったのかもしれない。

　　それにしても當(dāng)時(shí)は親切な人が多かった。途中で知り合った奈良女子大の學(xué)生の寮に泊めてもらったり、時(shí)計(jì)が壊れたときに腕時(shí)計(jì)を貸してもらったり、女の子が暗くなって一人で歩いて行くのは危ないからと車で送ってくれた八百屋さんもいた。いろいろな経験をした一人旅だった。